Webディレクター向け「アクセス解析研修」にみる研修設計(2/4)

現場で求められるパフォーマンスと、受講者の現状分析

現場で求められるパフォーマンスと、受講者の現状分析

共通の狙いを明らかにしたら、これを軸にして第1回の具体的な検討に入ります。まずは、「Webサイトを運用する現場ではどのような問題発見が望まれ、それを改善提案につなげていくためにどのような知識・スキルを身につける必要があるのか」を検討し、学習テーマの洗い出し、優先順位づけを行っていきます。その結果、第1回はサイト運用フェーズで日に日に重要度が増している「アクセス解析」にテーマが決まりました。

テーマを選定したら、今度は「アクセス解析」の実務において何ができるようにしたいのか、今回の研修の狙いを鮮明にしていきます。当社のWebディレクターの中には、クライアント先でアクセス解析データをレポートにまとめている人が少なくありません。彼らに求められるパフォーマンスは、レポーティングの精度をさらに高め、実際の数字から具体的な問題を発見して改善策を導き出すスキルです。

目指す先が明らかになったら、今度は現在地の確認。現在のWebディレクター陣がどのあたりに位置するか。関連する既有知識・スキル、業務内容・経験、仕事や学習に対するモチベーションなど、研修の設計に関わるさまざまな情報を確認していきます。今回はマネージャーへのヒアリングのほか、受講者であるWebディレクターへの事前アンケートやインタビューも行って情報収集しました。研修の受講者は“集団”を前提としているため、どれくらい受講者間に差があるか、どの層に焦点をあてて研修を設計するかも見極めが必要です。

「アクセス解析経験がないWebディレクター」に照準をあわせ、ゴール設定

目指す先と現在地が見えたら、今回の研修のゴール地点を検討します。「目指す先」と「ゴール地点」は分けて考える必要があります。研修(Off-JT)にできること、受講者のプロフィール、割ける予算・時間などを前提に、今回の研修の現実的なゴールを設定します。

「研修」は、現場で経験を積むより能率的に、欲しい知識・スキルを習得できる手段として重宝します。しかし、決して万能なツールでもありません。例えば、「アクセス解析」の専門家が導き出す提案力を1日の研修で身につけることは、大概無理なわけです。しかし、割けて1日という時間枠の中でも現実的なゴールを設定することで、Webディレクターが個別に現場経験を積んでアクセス解析を学ぶより能率よい学習の場を生み出すことはできる。その研修に何ができて、何ができないかをしっかり見極めて設計することは、実施効果に大きな影響を与えるため、慎重にあたる必要があります。

今回の研修では、割ける時間は土曜1日(5時間)、予算はそこそこ、受講者は総じてディレクション経験豊富だが、アクセス解析の学習・業務経験はまちまち。そのため、「アクセス解析の学習・業務経験がないWebディレクター」に照準をあわせ、次のような目標を設定しました。この辺りの学習目標は、アクセス解析のエキスパートである講師に相談して落とし込みます。

最後の「分析提案を自分でできるようになる」というのは、何をもって?というのが難しいところですが、もう少し厳密に表すと、日々目にするアクセス解析データから効果を上げるための仮説を立て、それを改善提案に結びつける“ストーリー立てを意識できるようになる”ことを今回の目標にしました。

改善策を導き出すのは、当社に持ち帰って営業担当と二人三脚で検討することもできます。まずは現場で、改善を意図した問題発見能力を獲得・強化すること。それを為す上で不可欠となる用語や概念、仕組みや手順、さまざまな指標や分析手法などの前提知識を体系的に身につける。アクセス解析には何ができないかも確認。一言で表せば「Webディレクターのためのアクセス解析入門」です。

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