Webディレクター向け「アクセス解析研修」にみる研修設計(3/4)


ページ1 | ページ2 | ページ3 | ページ4

講義を聴くだけでは「スキル」は身につかない

知識をスキルに展開することも重視しました。研修といって真っ先に思い浮かぶのは、座学で講師の話を聴く「講義」スタイルですが、講義を聴くだけで実務スキルが身につくことはまずありません。逆に「講義形式ではつまらないし身にならない」と、なんでもかんでも演習形式にしたところで、前提知識がなければ学習効果は望めません。「知識」「スキル」「態度」の何をどれだけ身につけたいのかを分解してとらえ、目的や参加者プロフィール、実施条件も照らし合わせて、何をどんな順序でどうやって学んでいけば身になるかを吟味します。

今回の「アクセス解析研修」では、講義を通じて概論的知識を一通り確認した後、自分の頭で考えて取り組む演習課題を設けました。直前に見聞きした情報を使ってこそ解ける演習を提示することで知識定着を図り、運用フェーズを前提とした小型の分析・改善提案に取り組むことで、無理のない知識から実践スキルへの展開を促しました。

演習設計に際して重要なことは、受講者が日ごろ関わっている業務と親和性がある状況設定にすること。演習のネタを何にするか、組織やサイトの規模感はどれくらいがフィットするかなど、できるだけ受講者が没入できるシーンを設定して演習課題を作りこみます。

今回の受講者は、特定サイトの担当ではなく、時期によってさまざまな業種業態のサイトを手がける制作受託側の立場。組織やサイトは大規模が多い。こうした点を意識して演習ネタを用意し、ブランドサイトやECサイトなどタイプの異なるサイトを取り上げて、それぞれにKPIを設定する演習などを盛り込みました。

また、「自分のアウトプットに対して、適切なフィードバックを得る」というコミュニケーションを重ねないと、使える実務スキルにはなかなか昇華しません。そのため、話の分かりやすさに留まらず、受講者一人ひとりのアウトプットに適切なフィードバックが返せる実務スペシャリストを講師に招聘して実施しました。一連の研修参加を通じて、アクセス解析への興味・関心を高められるようにも配慮して、研修を設計していきました。

受講アンケートの「満足度」は学習効果を出す前提条件

研修は非常に充実した時間となり、終了後は講師とともに食事会をして親交を深めました。みな満足げな表情で語らい、受講後のアンケートでも、「ためになったか」という設問には全員が5段階評価中「5」という回答を得られました。

一方で、「今回受講したことで、今後のご自身の仕事の質・やり方は変わると思うか」という設問は、過半数が「変わる」と回答したものの、「どちらともいえない」も数名。実際にアクセス解析を手がけたことがあったり、まさに今手がけている層と、そうでない層とで差が出ました。

アンケートの結果をどう読み取るかは、効果測定の観点から慎重にあたらなければなりません。受講者の満足度は研修の実施効果を測る上で重要な指標の一つといえますが、それはあくまで学習効果をあげる上で前提条件となるからです。ここからさらに、「研修直後にどんな変化があったか」「実務にどんな変化を与えたか」を効果検証する必要がありますし、効果が持続するようリーダーが導いていく必要もあります。

ページ1 | ページ2 | ページ3 | ページ4
ページのトップへ戻る